相続登記を放置することのリスクを解説

不動産の名義変更にあたる相続登記には、期限がありません。

すぐに相続登記をしないでも罪に問われることも、罰金を支払うこともありません。

何十年と放置をしていてもです。

そのため、相続登記は面倒で費用もかかることが関係し、放置されるケースが多発しています。

罰則がないからと言って、いつまでも放置することにリスクはないのでしょうか?

今回の記事では、相続登記を放置するリスクを解説していきます。

まだ見ぬ子孫に迷惑をかけるかもしれないことを確認しておきましょう。

相続登記を放置するリスク

相続登記を放置する理由として、面倒でお金がかかる点が上げられます。

不動産の固定資産税評価の0.4%が登録免許税でかかるほか、依頼をすれば手数料もかかるので、傍から見れば後回しを考えてしまう人を、責めることもできません。

ただし、迷惑をこうむった当事者になれば話は別です。

自分が亡くなったあとに、恨まれてしまうかもしれません。

どんどん相続登記が複雑になる

相続登記を放置したまま相続人が亡くなると、手続きがどんどん複雑になります。

たとえ遺産分割協議により不動産の相続を一人にしたとしても、相続登記が完了しなければ、相続人全員が不動産を共有している状態です。

例えば、父親が亡くなり3人の兄弟が不動産を相続したとします。

相続登記を放置したままそのうちの1人が亡くなり、その子供である2人の相続人が相続をしたとしましょう。

3人の共有だった不動産が、いつのまにか4人の共有に増えました。

他の2人も亡くなり相続をすれば、共有人数はどんどん増えていきます。

もともとは1人の所有物であった不動産が、時間の経過とともに共有者が増えていきます。

人数が増えてしまった後、相続登記をする場合は、相続人全員の同意と印鑑証明書が必要です。

人数が増えるほど、まとめるのが面倒になることでしょう。

書類が入手できない

相続登記を申請するには、公的書類の提出が必要です。

不動産名義人との関係を証明するのですから当然のこと、ただこの公的書類の保存期間が過ぎてしまうと、取得できなくなります。

住民票などは、保存期間が5年と定められていることから、それ以降の入手は不可能です。

だからと言って相続登記ができないわけではありません。

しかしより困難になることから、さらに放置を考えることでしょう。

放置すればするほど、どんどん面倒になっていきます。

不動産を売却できない

相続した不動産を売却する場合は、相続登記が必要です。

相続登記を放置することに罰則はありませんが、しないことによる弊害は当然でてきます。

兄弟3人の適当な遺産分割協議により、1人が相続した不動産を相続登記せずに放置したとします。

いずれ2人の兄弟がなくなり、相続した不動産を処分しようと考えたが、相続登記をしていないことから処分ができません。

あわてて相続登記を行おうとしますが、2人の兄弟には合計7人の相続人がいました。

そのすべての人から同意と印鑑証明を手に入れる必要があります。

1人でも同意をしなければ、処分もできません。

また、増えた共有者の中に借金をしている人がいた場合は、債務者によって相続持ち分の差し押さえが行われるかもしれません。

適法に差し押さえられてしまった不動産を売却することはできないことから、自分が弁済する必要がでてきます。

相続登記をしていれば、起きない事案です。

相続登記を放置しないこと

相続登記を放置することは、百害あって一利なしです。

まだ見ぬ子孫へ弊害を残す可能性もあることだと理解をしておきましょう。

時間がない方は、相続全般の対応ができる弁護士に依頼してください。

後々のリスクを考えると、その方が無難ではないでしょうか。

また、相続登記を放置した結果、いざこざが起きる場合もあります。

内容が過去にさかのぼることから、法的な解釈が必要です。

早急に弁護士へ相談を行いましょう。